この中で最も大切なのが食事療法です。
薬物療法は糖尿病の治療のみに有用ですが、食事療法は糖尿病だけではなく、他の生活習慣病(高血圧、脂質異常症など)の改善にも役立ちます。また、糖尿病食は健康食で、糖尿病でない人でも実践すべき食事であり、ご家族みんなで実行されるといいですね。
1. 腹8分目にしましょう
目の前にごちそうがたくさんあると、つい食べ過ぎてしまいます。食事を始める前に、食べる分だけ自分の皿に取り、その取り分けた料理をゆっくり楽しみながら、よく噛んで食べましょう。食事量を腹8分目にすると、料理がよりおいしく感じるのではないでしょうか。
2. よくかんでゆっくり食べましょう
食物を口に入れて20~30回よく噛んでから飲み込みましょう。食事の満足度がまし腹8分を守りやすくなります。早食いすると多くの糖質が短時間に消化・吸収され、血糖値が上昇してしまいます
3. 栄養のバランスを考えて食事をしましょう
食品の栄養素として、炭水化物、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルがあります。これらの栄養素をバランスよくとりましょう。
(1)炭水化物の多い食品 エネルギー源になります。しかし血糖を上昇させますので、食べすぎに注意しましょう。 |
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(2)たんぱく質の多い食品 筋肉や臓器のもとになります。 |
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(3)脂質を多く含む食品 エネルギーの高い食品が多いので、食べすぎに注意しましょう。 |
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(4)食物繊維、ビタミン、ミネラルを多く含む食品 (野菜、海藻、きのこ、こんにゃくなど) |
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(5)その他 ■牛乳、乳製品(ヨーグルトなど) たんぱく質、カルシウムを多く含みますので、糖尿病学会では1日120kcal(牛乳だと180cc)程度摂ることをすすめています。 ■くだもの類 炭水化物のうち果糖やブドウ糖を多く含み、またビタミンCやミネラルも豊富です。糖尿病学会では1日80kcal(みかんだと中2個)程度摂ることをすすめています。 |
4. 食物繊維を多くとりましょう
食物繊維は野菜、海藻、きのこなどに多く含まれています。
これらの食品に含まれるエネルギー量はわずかですので、多くの種類を食べるようにしましょう。
5. 間食を減らしましょう
間食として食べることの多いクッキー、ケーキ、チョコレート、スナック菓子などは炭水化物が多く血糖が上がります。また脂質も多く高エネルギーですので、間食を減らす努力をしましょう。
6. 朝食、昼食、夕食を規則正しく摂りましょう
朝食を抜くと、昼食後の血糖が上昇しやすくなりますので、三食きちんと摂りましょう。
7. 食事の“食べる順番”について考えましょう
サラダ、肉(魚)、ご飯を食べる場合、まずサラダ、そして肉(魚)、最後にご飯を食べると食後の血糖の上昇が抑えられます。
アルコール摂取が適量であれば、脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患の発病に抑制的に働くことが報告されています。しかし飲みすぎると糖尿病が悪化しやすくなり、また肝臓病や膵臓病、がんなどが発症しやすくなります。1日のアルコールの適量は25ml以下です。
アルコール25mlを含むアルコール飲料の目安
アルコールの適量は個人によって異なります
適量を超すとγGTPが上昇したり、赤血球が大きく(赤血球の大きさの指標:MCV)なったりします。これらが異常であれば適量ではありませんので節酒が必要です。
アルコール飲料中のアルコール量について
アルコール飲料中のアルコール量は様々で、その容器にアルコール度数(%)が記載されています。一般的に日本酒は15%、焼酎は25%、ビールは5%、ウイスキーは40%、ワインは12%です。アルコール飲料中に含まれるアルコール量は以下のような計算方法で算出します。
(例)